おしっこの痛み(排尿時痛)|千葉県流山市の泌尿器科専門医|女性医師在籍|なりた泌尿器科・内科クリニック

排尿時痛

おしっこの痛み(排尿時痛)|千葉県流山市の泌尿器科専門医|女性医師在籍|なりた泌尿器科・内科クリニック

このページをご覧になっている方は、おしっこのときの「痛み」「違和感」でお困りかと思います。そのようなお悩みを早期解決できるよう主な要因や対処法・泌尿器科受診のタイミングをご案内いたします。

症状概要

泌尿器の病気

排尿時の痛み(おしっこをする時の「痛み」)を「排尿時痛」といいます。
主に膀胱や尿道の付近に痛みを感じることをいいます。痛みの程度は人によって異なり、違和感を覚える程度の方~激しい痛み・我慢できない痛みを感じる方までさまざまです。

主な痛みの感じ方

排尿時痛は、主に膀胱や尿道に感じる疼痛や灼熱感を指します。細菌感染や粘膜に傷がつくことで起こる場合が多いです。痛みの原因疾患や背景により、痛みの感じ方も異なります。
痛みを感じるのは、からだの異常を知らせるサインです。
この「痛み」のサインが排尿時の始めにあるのか、排尿終わりのときに起きているのかによっても原因として疑われる病気は異なります。また、男女によってもからだの構造的な違いもあり、原因疾患も異なります。
痛みが強く我慢できない強い痛み(ズキッとした痛み)がみられるときは、尿路に炎症が起こっている可能性がありますので、早めに泌尿器科クリニックの受診を推奨します。

痛みの種類

おしっこの痛み(排尿時痛)の分類とは

排尿時痛は、痛みを感じる「タイミング・場所」によって分類でき、関連疾患も異なります。

【分類】

排尿時痛は、痛みの出るタイミング(出現時期)により、初期排尿時痛・終末期排尿時痛・全排尿時痛に分類できます。

初期排尿時痛

「おしっこ」のし始めに感じる痛みです(排尿開始時の痛み)。
尿が炎症している部位に最初に触れた際の刺激により生じる痛みと考えられます。急激に我慢できない程の痛み(疼痛)や、焼けるような痛みとして感じることが多いです。

疑われる病気

  • 尿道炎(淋菌感染病、クラミジア感染症など)
  • 前立腺炎
  • 尿道結石
終末時排尿痛

おしっこが終わると感じる痛みです(排尿終了後に感じる痛み)。
排尿終了時に膀胱上皮が互いに接触することで生じる痛みと考えられます。尿道部(おしっこが通ってきた道)に「ズキー」とした痛み、「ツーン」とした痛みを感じる場合が多くみられます。

疑われる病気

  • 膀胱炎(急性膀胱炎)
  • 前立腺炎
  • 腎盂腎炎
  • 尿路結石
全排尿時痛

おしっこの間ずっと痛み感じる状態です。
排尿開始時から終了までの全排尿時期に感じ、強い炎症により尿の通過時に持続的に疼痛(痛み)が生じています。この場合、膀胱炎が再発して続き、慢性化していることが多いです。

疑われる病気

  • 高度な急性膀胱炎
  • 間質性膀胱炎
  • 腎盂腎炎
  • 尿道狭窄症

痛みを感じる場所

痛みを感じる場所は、男性・女性でも傾向があります。これは体の構造(尿道の長さなど)に違いにより、関連疾患も異なるためです。大きくは「尿道の痛み」と「下腹部の痛み」に分かれます。

男性と女性の尿道の違い

尿道は膀胱から外尿道口(尿の出口)までの尿の通り道のことです。女性は男性に比べ尿道が短いため、細菌が外尿道口から侵入し膀胱まで到達しやすいため、膀胱炎になりやすいと考えられます。また、男性は尿道の間に前立腺という臓器をもっています。

尿道の痛み(男性に多くみられる)

膀胱炎(男性)

男性では、排尿時に痛みがあり、尿道(尿の出口)から膿が出ている場合は、細菌感染による尿道炎や前立腺炎といった炎症性疾患が考えられます。排尿の終わり頃に痛みを感じる際は尿路結石や膀胱炎の可能性も考えられます。
また、我慢しきれない痛みや膿の色(白色、黄色)によっては性感染症の疑いもあります。パートナーの方への感染リスクも考えられますので、早期に泌尿器科専門クリニックの受診をお勧めいたします。

下腹部の痛み・違和感(女性に多くみられる)

膀胱炎(女性)

女性では、圧倒的に急性膀胱炎が多く、膀胱のある下腹部に痛みや違和感を覚える場合がみられます。男性に比べ、尿道が短いので外尿道口から細菌が侵入し膀胱粘膜に感染して発症するケースが多くみられます【※若年層(20~40代)の女性に多くみられます)】。
とくにからだの冷え・疲労の蓄積など、免疫力が低下すると再発し慢性化する可能性があります。

背中から脇腹にかけての痛み

ここに痛みを感じる場合は、腎臓や尿管に炎症や腫れ、要因となる結石があると考えられます。炎症の強さや結石の大きさにより痛みの程度は異なります。尿管結石の場合は自然に尿と一緒に流れ出ることもありますが、緊急時や難治例にはカテーテル治療や破砕治療などを行わなくてはならない場合もありますで、適宜判断いたします(緊急に高度な治療が必要な際は提携施設と連携し対応します)。

痛みの原因とは

日常生活に原因がある場合

1.免疫力低下に由来する

排尿時痛のほとんどは、おしっこの通り道で起きた感染症が原因でみられます(尿路感染症)。健康状態では、からだの免疫が働き発症することも少ないのですが、日常生活での疲れ、ストレスなど負荷がかかり、抵抗力が落ちているときには発症しやすいのです。
(※とくに、以下のような際は注意しましょう)

免疫力が低下し、感染症を発症しやすいタイミング

  • 風邪をひいているとき
  • 仕事や学業など、日常の疲れが溜まっているとき
  • 子育て、家事に追われ、十分な休息がとれないとき
  • ストレスがかかった状態のとき
    (気になること、悩みがあり、精神的に思いつめているなど)

2.性交渉による感染症に由来する

とくに10~20代の若年層に多くみられます。
近年では、性交渉の低年齢化に比例し、性感染症により「痛み・膿が出る・かゆみ」といった違和感を訴える方が増加傾向にあります。
性感染症は、自覚症状を感じず進行するケースも多いため、日頃の避妊具の装着や予防への意識が大切です。

原因となる「病気」がある場合

男女ともに排尿時痛の原因でもっとも多いのが「原因となる病気」の影響で排尿時痛を感じるタイプです。

膀胱炎

排尿の終わり頃(おしっこ終わり)に痛みを感じます。
細菌が膀胱内に進入し、膀胱の粘膜に感染・炎症を起こす病気です。炎症が起きた状態で排尿を行うと、急な収縮で膀胱が強く刺激され、膀胱のある「下腹部」や尿道口(おしっこの出口)に痛みを感じます。
炎症が強い状態では「血尿(おしっこに血が混じる)」がみられる場合があります。男性より女性に多くみられます。

前立腺炎(急性前立腺炎:細菌感染性前立腺炎)

排尿の始め頃(おしっこの始め)に痛みを感じます。主に尿道から大腸菌・ブドウ球菌が侵入し、前立腺に感染し炎症を起こす病気です。排尿時の始めに痛みを感じる他、頻尿・残尿感がみられることもあります。20~30代の若年層の男性に多くみられ、炎症が強くなると痛みが強くなり、高熱・倦怠感(だるさ)など全身症状を起こします。

腎盂腎炎(じんうじんえん)

排尿の終わり頃や、排尿の間ずっと痛みを感じる状態が続きます。腎臓の中で尿を溜める役割を担う「腎盂(じんう)」や腎臓に細菌が感染することで炎症を起こす病気です。多くは、尿道口から侵入した細菌が尿道、膀胱、尿管とさかのぼって腎盂にまで達することで発症します。(※もっとも多い原因菌は大腸菌です)
腎盂腎炎では、痛みの特徴として「背中や腰に痛み」がみられ、尿中の白血球の増加により「尿の濁り」などもみられます。女性に多くみられます。女性は男性に比べ尿道が短いこと、尿道口が肛門に近く大腸菌へ感染しやすいことも理由として考えられます。

尿道炎

排尿の始め頃(おしっこの始め)に「焼けるような痛み(灼熱感)」を感じます。
細菌感染により尿道に炎症がおき、排尿時の始めから終わりにかけて焼けるような痛みを感じます。男性に多くみられ、性行為によるクラミジア菌や淋菌などへの感染が原因となることが多いです。透明、淡い黄色や白色の膿が尿に混じってみられる際は泌尿器科クリニックへの受診をお勧めします。進行すると尿道狭窄症の原因となり、排尿(おしっこ)がしづらくなることがあります。

尿路結石(尿管結石)

突然の痛み、排尿終わりに痛みを感じます。腎臓でできた結石(主にシュウ酸・尿酸の成分など)が尿の流れで尿路のどこかを傷つけたり、詰まることで痛みや血尿(血が混じる)などといった症状がみられます。
【尿路の詰まる場所:腎臓・尿管・膀胱・尿道】によって疾患が分類されます。
結石の大きさ・詰まる場所により治療法の選択肢も異なります。「繰り返す痛み」や「排尿に時間がかかる」といった生活に支障が出る際は、泌尿器科専門クリニックの受診をお勧めします。

性器クラミジア感染症

男性では、排尿の始め頃(おしっこの始め)に「痛み・しみる」といった症状がみられます。クラミジア感染症は日本でもっとも多い性感染症です。女性の感染者の約80%近くは自覚症状がなく気付きづらいのですが、男性が感染すると尿の出始めに「焼けるような痛み」を感じます。

受診のタイミング

受診のタイミング

軽度の痛みの場合は、「痛み」の自覚症状を確認してから1~2日以内を目安に泌尿器科クリニックの受診をお勧めします。
できる限りすぐ受診するに越したことはありませんが、直ぐの受診が難しい際は当院へ一度お問い合わせください。我慢しきれない程の痛みがある際は安心いただくためにも早めの受診を推奨します。

排尿痛の検査・診断方法

問診票

排尿時痛では、診断をつける上で以下の内容を問診し、各検査を行います。

主な問診内容

  • 症状の経過や発症時期
  • 痛みを感じ始めた時期
  • どういうときに痛むか
  • 身体所見
  • からだのどこに痛みを感じるか
  • その他、気になる症状
  • 性交渉歴
  • 放射線治療歴 など

当院で行う検査

1.尿検査(検尿)

検尿カップ

一般的な尿検査は、尿定性・尿沈渣とのことを言います。排尿時痛がみられる際はまずは尿検査を行い「炎症や血尿」の有無を確認します。尿定性検査は30秒から2分程で検査結果が出る簡便なものです。また、尿沈渣検査は尿を5~10分ほど遠心分離機にかけたあとの沈殿物を顕微鏡で見ることで、白血球・赤血球の数や細菌、細胞などの量・種類を調べます。

女性の方へ

月経中や帯下(おりもの)が多いとき、膣が萎縮している場合には、正しい結果が出ないことがあります。気になる点がございましたら、当院スタッフへお声がけください。

2.尿培養検査

尿検査で白血球反応や、潜血反応が陽性になると膀胱炎と診断できます。その場合、尿検査と併せて「尿培養検査」を行います。膀胱炎の原因となった細菌を特定するための検査です。培地(菌が増えやすい特別な環境)で菌を培養して(特定できる量まで増やして)調べます。検査結果は1週間程度でお伝えできます。原因菌を特定し、有効な抗生物質を選択して治療を行います。

患者さまへ

抗生物質を飲み始めていると正しい検査結果が得られないため、治療開始前の尿で検査を進めます。

3.採血

採血

発熱があれば、炎症の程度の確認や腎機能障害の有無を確認するために行います。血液検査で膀胱炎などの感染症の有無がわかるわけではありませんが、全身の炎症の程度や臓器の機能低下等の確認に有用です。

4.エコー検査(腹部超音波検査)

エコー

膀胱炎と診断治療した後も症状を繰り返す際は、膀胱の壁に異常がないかを調べ治療方針を決めていきます。

当院の検査費用の目安

  1割負担 2割負担 3割負担
尿検査(尿定性・沈渣検査) 約90円 約170円 約260円
血液検査(採血) 約600円 約1,200円 約1,800円
尿培養検査 約170~450円 約340~900円 約510~1350円
腹部エコー検査 約530円 約1,060円 約1,590円

(税込表記です)

  • 加入している健康保険の種類により若干異なります。費用はあくまで目安の金額です。初診料・再診料、診察料や処方料などは別途請求となります。

治療について

お薬

治療は原因となる疾患等に対して行います。排尿時痛で多くみられる膀胱炎の場合、抗生剤(抗生物質)を処方し経過観察します。多くの場合1日~2日程度で症状が軽減されます(軽減したとしても医師から指示、処方された日数は必ず飲み切ってください)また、痛みが強い場合には鎮痛剤で痛みをやわらげます。
(※痛みの原因が結石で破砕などが必要な場合は提携病院と連携し対応いたします。)

感染症の原因菌の増殖を抑え、殺菌するお薬

  一般名(お薬の成分)
※ジェネリック医薬品のお名前にもなります
商品名(例) 服用期間(目安)
ニューキノロン系抗生剤 レボフロキサシン
シプロフロキサシン
シタフロキサシン
クラビット錠
シプロキサン錠
グレースビット錠
3日
セフェム系抗生剤 セファレキシン
セフカベンピボキシル
ケフレックスカプセル
フロモックス錠
5~7日
ペニシリン系抗生剤 クラブラン酸アモキシシリン オーグメンチン配合錠 7日
ホスホマイシン系 ホスホマイシン ホスミシン錠 2日
ペネム系 ファロペネム ファロム錠 7日
ST合剤 スルファメトキサゾール・トリメトプリム バクタ配合錠 3日
  • 注意:人によっては抗菌薬のタイプがからだに合わず「下痢」症状がみられることがあります。その際はお薬の変更が必要な場合もございますので、当院医師へご相談ください。

痛みや炎症を抑えるお薬

一般名(お薬の成分)
※ジェネリック医薬品のお名前にもなります
商品名(例) 服用期間(目安)
ロキソプロフェンナトリウム(錠剤) ロキソニン錠 1日~2日(痛みを感じるとき)
アセトアミノフェン(錠剤) カロナール錠 1日~2日(痛みを感じるとき)
ジクロフェナクナトリウム(錠剤) ボルタレン錠 1日~2日(痛みを感じるとき)

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