食欲不振
食欲不振
食欲不振とは、食べたいという意欲が「減った」または「なくなった」状態をいいます。
食欲不振は一時的になることは皆さんも経験があるのではないでしょうか。
上記のような場合、症状は一時的なもので改善に向かうのでそれほど問題にはなりません。
しかし、食欲不振が数日続く場合には、何らかの病気が原因になっている可能性も考えられます。また、食事が長くとれない状態が続くと体に悪影響を及ぼす可能性も出てくるため、近隣のクリニックなど医療機関への受診をお勧めします。
食欲不振は、上記のような要因や夏バテ、妊娠、加齢などが原因となって身近に潜むな症状です。
一方で、以下のような病気が原因で起こる可能性もありますので、数日症状が続く際は医療機関で検査を受けましょう。当院では症状等によっては近隣消化器内科等医療機関と連携し対応させていただきます。
食道や胃・十二指腸など食べ物の通り道の粘膜が傷ついたり、炎症を起こすと発症部位の痛みや不快感、吐き気・嘔吐、胸やけなどの症状に伴って食欲不振が現れることがあります。血便が確認できる場合は、発症部位からの出血も考えられますので当院ではかかりつけ機能として所見を確認次第、近隣消化器内科の施設もと連携し対応させていただきます。
高齢者では、肺炎や腎盂腎炎などの感染症で食欲が低下することがあります。甲状腺ホルモンや副腎皮質ホルモンが出なくなる病気、うつ病をはじめとする精神的な病気も食欲不振も原因になりえます。
また、悪性腫瘍(がん)が発生した場合にも食欲不振になることがあります。食欲不振は、特に消化器に発生したがんの症状として現れ、体重減少や体のだるさなどの症状を伴うことが多いといわれています。
下記のような日常生活上の原因で食欲不振になることも多くあります。
夏バテや睡眠不足・ストレスがある場合には、胃や腸などの消化器機能を調整する自律神経のはたらきが低下し、消化器がうまく動かなくなるため食欲不振につながります。
食欲不振の影響で何日も食事がとれない状態が続くと、カロリー摂取量の減少に伴って体重減少がみられます。また、症状が食欲不振だけではなく、胃もたれや胸やけ・胃痛・吐き気などの症状を伴うことも多く、このような症状が複数確認できる場合は、特に消化器の病気でよくみられます。
食欲不振には消化器の病気、感染症や精神的な病気など、さまざまな原因が考えられ、原因によって治療の方法は大きく異なります。原因別の主な治療には以下のようなものがあります。
(※当院ではかかりつけ機能として対応し、症状に合わせ近隣消化器を専門とする医療機関と連携し対応します。)
胃や腸などの消化器の粘膜の損傷や炎症であれば、薬物を用いた治療が一般的です。一部の病気で症状が進行している場合などでは、内視鏡治療や手術が行われることもあります。
細菌感染症が原因の場合には、抗菌薬を使って治療します。甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモンが出なくなる病気に対してはホルモンの補充、精神的な病気に対しては抗不安剤や抗うつ剤といった薬物による治療が主体となります。
精神的な病気では、カウンセリングなどの心理療法が効果を示すことが多く、ご家族の心理的サポートや家庭環境の改善も重要になってきます。
がんに対する治療は薬物療法(抗がん剤治療)のほか、内視鏡治療や手術などさまざまで、主に病態の進行具合によって決定されます。
日常生活が原因であれば、日常生活を見直すことが治療の第一です。
また、お腹に優しいもの(消化のよいもの)を少量ずつ食べる、さっぱりとした喉ごしのよいものを食べるなど、食事の工夫も大切です。