泌尿器科で扱う臓器【尿路(にょうろ)】編
- 2021年8月1日
- 症状・病気について
前回は、泌尿器科がどんな診療科なのか、
「老若男女問わず患う可能性がある疾患を診る」など、ざっくりとお話しました。
泌尿器科で診る疾患は、からだの部位(臓器)ごとに特有の症状がみてとれます‼︎
そこで、今回は泌尿器科で扱う臓器について、もう少し説明してみたいと思います。
泌尿器科ではからだのどこをみるの?
泌尿器科で扱う臓器は大きく分類すると、下記3つの系統に分けられます。
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尿路
腎臓、尿管、膀胱、尿道
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男性生殖器
精巣、精巣上体、精管、前立腺、精嚢、陰茎
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その他
副腎、後腹膜腔の臓器など
今回はその中でも泌尿器科の受診きっかけの臓器【第1位:①尿路】について、ご説明いたします。
【尿路(にょうろ)】とは
患者さんに外来診療で説明していると「尿路?尿管?尿道?」と、混同されてしまう方が多くいらっしゃいます。似ているのでややこしいですよね。
まず、尿路とはどこを指すのか。
尿路とは、体内で産生された尿が体外に排泄されるまでの通り道のことです。そして、その通り道のひとつが尿管と尿道です。
そもそも、尿(おしっこ)はどこでどのように、そして何のために作られるのでしょう??
ご存知の方もいるかもしれませんが、尿はもともと血液から作られています。
血液中には栄養、酸素などの他、タンパク質の代謝によって生じた尿素やアンモニアなどの老廃物や有害物質も含まれています。
腎臓(じんぞう)では、血液を濾過し、これらの老廃物や有害物質を取り除き、不要な水分とともに尿として排出し、必要な栄養素や必要分の水分などは再吸収することで体内の血液濃度を調整しています。
このように通常左右の腎臓で産生された尿は、次に腎盂(じんう)というところに集められ、その後それぞれ左右の尿管(にょうかん)という細い管を通って下腹部にある膀胱(ぼうこう)に溜まります。
膀胱に溜まった尿は、一定量貯まると尿意を引き起こし、尿道(にょうどう)を通って体外へ排泄されます。
この、腎臓〜腎盂、尿管〜膀胱〜尿道の一連の通り道を尿路(にょうろ)といいます。
尿路で起きる疾患には、何がある?
上述でお話しした通り【腎臓〜腎盂】【尿管〜膀胱〜尿道】の一連の通り道の尿路といい、
尿路で起きる疾患は、疾患を引き起こす原因(理由)によって下記のよう分かれ、まとめることができます。
尿路のどこかに細菌感染をきたしたもの(腎盂腎炎、膀胱炎、尿道炎など)の総称 → 尿路感染症
尿路のどこかに結石があるもの(腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石)の総称 → 尿路結石症
「尿路?尿管?尿道?」
これですっきり理解していただけましたか?
「腎臓」「膀胱」の仕組みなど、もっと深くお話ししたいことはたくさんありますが、また今度の機会にお話しできたらと思います。
なりた泌尿器科・内科クリニック
院長 成田 玲奈