泌尿器科ってなぁに?「意外と身近な診療科目」です
- 2021年7月11日
- 一般・日常のお悩み
みなさんは、「泌尿器科」と聞いて、どんなイメージを抱きますか?
泌尿器科=性器の病気、前立腺の病気(男性特有の病気)を診るところ。おしっこの調子が悪い時だけかかるところ。
こういった、印象をお持ちの方が多いのではないでしょうか?
それも間違いではありません。
もう泌尿器科にかかっている方には失礼かもしれませんが、
「どんな病気を診るのかはよくわからないけれど、泌尿器科ってなんだか行くのが少し恥ずかしい」そんな方もいるかもしれません。
泌尿器科医である私の母でさえ、私が泌尿器科医になる意思を伝えたときに、「泌尿器科ってどんな病気をみるの?男の人しか来ないのでは?」といった具合でした。
では、泌尿器科とは本来どんな診療科目なのか、性別・年齢に偏りのある診療科目なのか?
泌尿器科医よりご案内いたします。
泌尿器科とは、「男女問わず」「年齢問わず:全世代」が受診する診療科です
そもそも【泌尿器】とは、辞書によると、
”尿の排出を行う器官。特にヒトの腎臓(じんぞう)・輸尿管(ゆにょうかん)・膀胱(ぼうこう)・尿道(にょうどう)の総称。”¹だそうです。
男性器だけを指している訳ではないのです‼︎
もちろん、陰茎(いんけい)や陰嚢(いんのう)、前立腺(ぜんりつせん)といった男性にしかない臓器の病気も扱います。けれども腎臓、尿管、膀胱、尿道は、男性も女性も共通です。
つまり、【男女問わず受診して良い診療科目】なのです。
また、尿(おしっこ)を出すことを排尿といいますが、この日常的にみなさんが行うサイクルの一つは、「赤ちゃんからお年寄りまで全世代に共通した大事な生理現象」です。うまく排尿ができない場合、命に関わることもあります。
なので、【老若男女問わず、泌尿器科疾患を患う可能性がある】のですね。
泌尿器科って、「どんな時に行くの」?意外と身近な診療科目
一般的にみなさんが街のクリニックや診療所を受診する際のきっかけは、どのようなものが多いでしょうか?「かぜをひいた」「花粉症かもしれない」「血圧が高い」「高い熱がある」「頭が痛い」などの症状は、比較的みなさんにも想像できるのではないでしょうか。
【身近に潜む疾患】
内科
(かぜ・生活習慣病など、日常で馴染みの病気を中心とする診療科目)
消化器科
(胃や腸などを中心とする専門科目)
循環器科
(胸・心臓や血管を中心とする専門科目)
呼吸器科
(肺や気管支を中心とする専門科目)
これらを扱う上記の科目に比べたら、泌尿器の病気は、日常の中で異常を感じるタイミングや頻度が少なく、認知度が低くなっているのかもしれません。
…が! 泌尿器科に行くべき症状や、受診すべきタイミングは実は多く、もっと気軽に受診できるべきだと思うのです。そのためには、みなさんに泌尿器科ってどんなところなのか、よく知ってもらうことから始めなくてはと思っています。
これから先も、少しずつですが、泌尿器科で扱う臓器、病気、検査や治療などについて紹介していきたいと思います。
<こんなお悩み・症状は、泌尿器科の受診のサイン>
排尿に関するお悩み
尿もれ、夜間のトイレの回数が多い、我慢ができない、尿が出にくい、
排尿時に痛みがある、尿に血が混じるなど
女性の排尿に関するお悩み
力むと尿もれを感じる、排尿時の痛み、産後の排尿状態の変化を感じる
男性の排尿に関するお悩み
頻尿、排尿の勢いが弱まった、残尿感、違和感など
男性器に関するお悩み
陰嚢/陰茎の症状・異変、男性更年期、勃起機能不全など
こどもの排尿に関するお悩み
おねしょ、陰嚢・陰茎の異常など
<泌尿器科で扱う疾患例>
排尿障害
(過活動膀胱、神経因性膀胱、腹圧性尿失禁など)
尿路・性器の腫瘍
(腎臓・尿管・膀胱や前立腺、精巣、陰茎のがんなど)
尿路結石
(腎結石、尿管結石、膀胱結石など)
尿路・性感染症
(膀胱炎、腎盂腎炎、精巣上体炎など)
尿路の先天性異常
(停留精巣、陰嚢水腫など)
男性生殖器の異常
(勃起障害、男性不妊など)
なりた泌尿器科・内科クリニック
院長 成田 玲奈
【参考文献】
1)ハイブリッド新辞林 ページ 6778 参照